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2013年7月20日 (土)

『触られる話』

 

マジックバーの舞台は『カウンター上』であり、お客様との距離が異常に近いわけです。

 

女性は『異性の手』に興味を持つ人が多い、と聞きます。 

手入れされたマジシャンの手で、流れるようなマジックを見せられると、(それがマジックでなくとも)、動きだけで魅せられる部分があるとのこと。 

という訳で、女性酔客に手を触られることが多いのです。 「トランプに仕掛けがないか改めてください」と言っても、トランプを持ってる手の方をベタベタ触られることも(汗)

 

いや、その触られる話ではなく・・・

 

バー“ MagiCULL Sunday ”を開始してから、何故か、演技中に使っている道具を触られることが大変多くなりました。

 

変化したばかりのトランプ、テーブルに置かれたコイン、カップから出てきたマフィン、マシュマロ・・・・ 特に触っていいと言っていないのですが、平気でどんどんいじくられます(笑)

 

 

演技中に道具を触れられる、ということは、芝居中に客が舞台に上がってきたり、落語中に大声で突っ込んできたりされるのと同じほど、芸としてみると異常な事態です。

 

 

弊害ポイントを考えてみましょう。

 

・演技の流れが止まる。  マジックにはストーリーも段取りもありますので、流れを元に戻すのに時間が掛かり、その分テンポが乱れます。

 

・リズムが乱れる。 マジックには、演技のリズムを使って騙しのテクニックを実行する場合があり、リズムを崩されると、その立て直しからしないと、テクニックが成立しません。

 

・他のお客さんの集中力が切れる。 一般の方は、1枚トランプを改めるだけでも結構手間取るもの。そうこうしているうちに周りで見ているお客さんが雑談を始めたりして、注意を元に戻すのにかなり手間取る。

 

・種がバレる。 当然、触ってもらっては困るものがあります。ばれないにしても、実行不能となることもあります。

 

 

かくのごとく、色々な弊害はあるのです。

 

そして、若い頃は、これに対して「演技の邪魔をされた」と感じ、阻止することばかり考えていました。 そして、自信がついてくると、触られなくなったので、「演技に威厳がでたからだ」などと、悦に入っていました。

 

しかし、現在私は甘んじて触ってもらっているのです。

 

触られることを前提に演技していますので、触ってもらってはいけないものは、色々な方法で、自然に完全にガードしており、お客さんが自由に触れるものには何の種もありません。 僕の作品の多くは、最終的にクリーンな状態になるものが多いのも、この目的です。

 

なぜ、演技がかき乱されることがわかっていて、あえて触られることを拒絶しないかというと、弊害以上のメリットがあると考えているからです。

 

それは・・・

 

・お客さんが自由に触って改めることで、より不思議さが強まる。 これは、舞台やテレビのマジックで「あー、あそこで改めてみたい」という欲求を実現してあげる事にもなります。

 

・触ることで、演技に一体感、親密度が増し、盛り上がる。 これはどんなライブより、演技者との密接感は強いはず。 マシュマロの話でも書きましたが、この奇術に関しては、出たものをすぐに食べたり飲んだりすらします。

 

 

ただ、下手に行うと、非常にまずいことも起こります。即ち、不用意にバレてしまいしらけたり、お客さんの改めのため演技が冗長になってしまったり・・・ そうならぬよう、ある程度のところで切り上げてもらう必要はあります。

 

また、お客さんは図に乗るので、エスカレートして何でも触ろうとしてきます。しかし、決してイラついた気持ちを悟られてはいけません。勿論、演技としてイラついたり怒る振りをするのは良いのですが、ホントのイラつきは、観客にとって大きなストレスです。 ですが、これも、大体同じようなところで触られるので、心に余裕が持て、対処できるものです。

 

 

昔は、「自分の愛するマジックを邪魔された」などと傲慢な考えが先走っていたものですが、最近は「愛するマジックを、本当に興味を持ってくれているからこそ、そして、僕がそんなことで怒ったりするような人物じゃないと信じていてくれるからこそ、道具を許可なく触りだしてくれ、心底楽しんでくれているんだ」と思えるようになっています。 偉いなぁ・・・俺。

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2013年7月 5日 (金)

2013年7月の CULLの主な予定

毎週日曜の夜8時半から、マジックバー Magi・CULL Sunday   営業しております。 なお、14日は連休中日ですが、営業しておりますので、来沢されている方など、ご来店しやすいかと思われますので、是非!

17日 金澤CULL 定例会 金沢市民芸術村 事務所棟研修室

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