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2014年8月 7日 (木)

「わたしのお金を増やして見せて」

 クロースアップ・マジックを演じていると、観客との距離が近いこともあり、お客さんは普通にマジシャンに話しかけてきます。 考えてみると、そんな芸能ってあまりありませんね。 

 近さで言えば大道芸も充分近いわけですが、取り巻いて見ているお客は、比較的大人しいようです。 江戸時代にだって大道芸は盛んに行われていたわけですが、現在の芸は西洋からの影響が色濃く、なんとなくお洒落な雰囲気があり、見ている方もマナーよく拍手もするし、西洋人がやるようにチップを帽子に小粋に投げ込んでみたくもなります。

 ところが、クロースアップ・マジック 特に バー・マジックは、酔客相手ですので、遠慮ってものがありません。 マジックだって十分に西洋のお洒落な雰囲気を醸し出してるはずなのですが、何故かお客さんの雰囲気には違いがあります。

 

 色々なことを言ってくるわけですが、中でもトップクラスに多いのがこれです。 ちなみに中年男性客しか言いません。

                 『俺の千円札を一万円札に変えてみろ』

 判で押したように、必ずこうに言います。

 

 後ほど分析しますが、この発言には色々な意味で、言われた側に反感が生じます。  少女が 「魔法使いさん、私のくたびれた靴を、新品に戻して下さいな。」 と言うのと、根本的に意味が違っています。

 以前は 「魔法が簡単なものと勘違いされているようですが、実際は元手と努力と時間が掛かります。 1万円に変えて差し上げますが、まず10万円ください。」 などと、喧嘩腰なことを言い返していました。(反省)

 

 なぜ、言われた方が言い返したくなるような反感が生じるかというと、この発言は、なんとなくマジックに乗っかって軽く言ってきてますが、実際はマジックと関係なく、内容のエッセンスを考えると 『俺に9000円くれ!』 と言っているのと同じです。流石に本人も薄々そのことに気付いてるので 『変えてくれ』 とオブラートに包んだ言い方をしてくるわけです。全然包みきれてませんが・・・

 

 そこで、最近はこう言っています。

 

 『 今、お金を変えて欲しい、と上品な感じで言われましたが、内容的には、9000円くれ、という要求と受け取ってよろしかったでしょうか? ・・・ はい、あげません。 』

 実際、「9000円くれ」と言っているわけですが、1万円に変えてはくれないことは分かっており、それほど深く考えない『おちょくり発言』なので、改まってこのように言い返されると、自分が知らず知らずのうちに随分下品なことを言ってしまっていることに気付き、少し緊張感が生まれるようです。 そこで、間を空けてから 『あげません』 と言うと、「まぁそうだろうね」 と納得し、緊張がほぐれるためか、多くの人が笑います。  

 昔言っていた「1万円まず下さい」などという無粋な返しより、かなり改善してるんじゃないかと思っています。

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コメント

必ず言いますね、中高年男性限定で(笑
最近はメンタリスト(笑)風に<あなたは千円札を一万円札に変えるよう私に言うでしょう>と書いた紙を封筒に入れてさりげなく示したあと演技に入ろうかと思っています。まんまと言ったら予言的中のカウンターパンチで瞬殺です。
ぼくは「手数料で9千円かかりますがよろしいですか?」と返したあとで、「お金を増やすのに元手をかけるのはばかばかしいですね。こっちのほうが安上がりですよ」と言いながら、マーク・オベロンの『クリーンキャッシュ』で自分の財布から取り出した白紙を千円札に変えています。
さりげなく裏表示して財布にしまいながら、財布からさらに5枚の紙を取り出して、テンヨーの『マネーショック(一万円)』で1万円札5枚にした後、テーブルの上にバサッと落としてすぐ拾い、また財布にしまいます。
当然、目の前で何の価値もない紙切れがお札に変わるため、観客の無茶ぶりにはプラスアルファで答えたことになりますし、元々の紙切れが私のものなので、渡す義理もないため、それをわかっているのか、手を出してくる観客もいません。
最近は「鳩出して」へのウルトラ・カウンターパンチもあります(笑

投稿: スペンサートリックス | 2014年8月 7日 (木) 21時38分

スペンサー・トリックスさん、こんにちは。貴重なコメント、ありがとうございます。確かに、これだけ言われてるから、予言しておくのも手かも(笑) FaceBookでも、このコラムを取り上げたところ、奈良のトニーDさんからもコメントを頂きました。彼は、実際お客さんの千円を一万円に変えて差し上げ、9千円を代金に付けるそうです。マジックバーならではの素敵な返し技(笑) 僕も、スペンサーさんと似たこともしています。僕が使ってるのは、この手の中で一番インパクトが強いと信じている、Richard Sanders' Extreme Burnです。話題が出たら、準備なくすぐ始められ、あっという間に終わるし、実際自分のお金なのでさっさと片付けることに意味があるところも好きです。

投稿: CULL | 2014年8月 8日 (金) 09時47分

P.S. 「鳩出して」もよく言われます。 「飲食店では禁止されております。」と言ってますが、自分で言っててイマイチなことを自覚しているので、大丈夫です(笑) スペンサーさんのカウンターパンチ、気になるなぁ・・・

投稿: CULL | 2014年8月 8日 (金) 09時49分

私は「1万円お借り出来たら2万円に出来るんですけどね~…」と言って、CULLさんに教わったトミーワンダーのお札の折り紙(タイトル教えてください(^^;)をやりますよ。
好評です。

投稿: パピコン | 2014年8月 8日 (金) 14時07分

パピコンさん、お久しぶりです。 あの奇術は “Tommy Wonder's Splitting the Profit” といいます。 そうか、結構人に勧めているのに、実際それほど使用してなかったのです(^_^;) それも、やってみよーっと(笑)

投稿: CULL | 2014年8月 8日 (金) 14時22分

早速のお返事ありがとうございます。
あのマジックは、お札を増やすように頼んだ人のガッカリと、周りの人の笑いが対照的で楽しいです。(^-^)

投稿: | 2014年8月 8日 (金) 14時39分

いいね!  ブログに いいね ボタンないことに、今気付きました(笑)

投稿: CULL | 2014年8月 8日 (金) 17時49分

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