« マジシャンのためのハンド・ネイルケア 1 | トップページ | マジシャンのためのハンド・ネイルケア 3 »

2016年11月17日 (木)

マジシャンのためのハンド・ネイルケア 2

皮膚のバリアを知ろう

 

まず、どのようなケアをすると良いのか理解するには、皮膚の基本的な『バリア機能』を理解することが大切です。 

Kannsei  左図は皮膚から骨に掛けての断面図です。皮膚と脂肪の間に皮下組織というコラーゲンやエラスチンといったタンパク質の繊維が沢山あり、皮膚のハリをキープします。紫外線は怖いもので、こんなに奥まで透過して、長年のうちに繊維をぶち切ります。そうすると『しわ』ができるのです。陽のあたる顔などにシワが多いのはそのためです。 ちなみに、どれだけ、外からコラーゲンを塗っても、こんなに奥にしみこむことはなく無意味です。また、コラーゲンを食べても、一旦普通のアミノ酸に分解されるので、皮下のコラーゲンになりませんので無意味です。勿論、コラーゲン入りの料理を食べた直後に「お肌がピチピチになってきた」などという魔法のような怪奇現象は絶対起こりません。

 

 皮下組織の下に脂肪があり、その下に筋肉、そして骨があります。

 

さて、生物は海の中で発生し、その一部が陸上に上がり、生活するようになりました。しかし、水中とでは環境が全く違います。陸上に上がってからは、『乾燥との戦い』が始まるのです。例えば爬虫類はウロコや亀のように硬い殻で守っていますし、多くの哺乳類は毛皮をまとっています。ところが、人間は「裸のサル」と呼ばれるように、一見非常に弱い皮膚ですし、他の動物と違い服が必要です。

 

 しかし、実際、寒い土地で無ければ、服なしでも生きていけます。それは、強固な毛皮に匹敵する強さと機能を持つ、7層程の角質の力です。

 

 

 

四角で囲まれた右図はその部分の拡大で、その右半分が正常な皮膚の表面です。 

 

 皮膚が死んで作り出された『角質(あか)』が何層も重なっています。そして、皮膚の最上層・顆粒層が作り出した、角層間脂質というセラミドなどの脂が角質の隙間を埋めています。この角質と脂で出来た『ミルフィーユ』こそが、強靭で優れたバリアとなっているのです。

 

 

 

そして、皮膚に色々な原因でトラブルが生じ、炎症が起こると、この脂の産生が落ち、図の左のような状態となります。 すると、表面からは角質をくっつけていた脂がなくなるので、フケのように角質が剥がれてきます。 そして、その隙間から、普段は弾き飛ばしている、汗や、アレルギーの原因となるハウスダスト、ダニの死骸のタンパク質などが奥まで侵入してきて、さらに炎症が悪化します。また、脂が少ないところに、洗剤やシャンプーが付着すると、少し残っていた脂を更に剥がしとって、益々、バリアが弱くなります。 手で言えば、これが「手湿疹」の状態です。

 

 

 

ポイント 角層と角層間脂質で作られた優れたバリアが壊れると、病気の元となる。

 

 

 

|

« マジシャンのためのハンド・ネイルケア 1 | トップページ | マジシャンのためのハンド・ネイルケア 3 »

コメント

非常にわかりやす解説ありがとう。

投稿: 福岡康年 | 2016年11月17日 (木) 11時21分

福岡さん、いつもお世話になっております。 お言葉ありがとうございます。しばらく連載が続き、実用的な内容となりますで、お読みいただければ幸いです。

投稿: CULL | 2016年11月17日 (木) 14時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« マジシャンのためのハンド・ネイルケア 1 | トップページ | マジシャンのためのハンド・ネイルケア 3 »