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2016年11月24日 (木)

マジシャンのためのハンド・ネイルケア 7

爪の他の変化

 

爪の横から緑膿菌という、生活圏内によくいる細菌が爪の下に入り込んで『グリーン・ネイル』という症状となることもあります。この菌は緑色の色素を作り出すので、こうなるのですが、菌が死んでも色素は残るので、爪がしっかり伸びて色素が押し出されて排泄されるまで色は消えないため、結構鬱陶しいものです。 これも、健常な爪に感染することは少なく、爪囲の皮膚が荒れていたり、爪の端が傷んでいたりしたところから入り込みますので、こうならないための普段のケアが大切です。

また、爪先が2枚に分かれる『二枚爪』や、爪床から爪自体が剥がれて短くなる『爪甲剥離症』というものがありますが、これらは、爪囲の皮膚のコンディションによって生じるものです。

基本的は話ですが、こうなって受診する患者さんにちょくちょく「カルシウムが足らないのですか?」と聞く人がいます。 爪はタンパク質と水だけでできており、カルシウムなど含まれていませんので、全く関係ありません。 硬いので骨や歯の成分と同じだと勘違いしているのでしょう。 

さて、爪囲や指先の皮膚に何らかの炎症が起こると、二次的にバリアが壊れ、乾燥してきます。そうすると、例えば乾燥すると髪の毛が『枝毛』となって分かれてしまうように、爪も二枚に別れたり、皮膚から剥がれたりしてしまうのです。ですから、原因となっている、皮膚の炎症を治療し、バリア機能が回復する状態まで持っていけば、爪の変化も追って回復します。皮膚の炎症が治って、その後バリアが回復し、その良好な状態が保てて、始めて次の爪が回復してくるので、一旦発症すると、そう簡単には元に戻りません。 そして、こうなるのも全て『普段のハンドケア』を怠ったために生じた指先の荒れが引き金なのです。

 

話はずれますが、爪に何らかの変化が生じ、「内蔵に病気があるのでしょうか?」と質問する人が多くいます。実際、例えば『鉄欠乏性貧血』による『匙状爪』や、『アジソン病』による爪の黒い変化、栄養失調による爪が薄くなる変化など、いくらでもあるわけですが、内的な因子による爪の変化は殆どが、一気に全部の爪に変化が生じる、という特徴があります。ですから、「右人差し指の爪の周りがカサついていて、その爪だけ先端が浮いている」などという症状は、症状だけで内的なことでないことがわかるわけです。

ですから、このことを患者さんに説明し、内蔵の検査は無意味であることを告げなくてはなりません。勿論、検査をすると、そのことと関係なく内蔵疾患が偶然見つかる可能性はあります。しかし、それは大切な保険医療費を使う行為ではなく、100%自費で人間ドックでやってもらうことです。

さらに話はそれますが、爪に何らかの変化が生じると「爪水虫(爪白癬)でしょうか?」と言って来院される方が沢山います。そして、その人達の大部分が、『爪に色々な病気がある』ということを知らず、『爪白癬』という疾患をどこかで聞きかじったために『爪の変化 = 爪白癬』と思ってしまっています。それは、例えば足に出来る皮膚疾患は何百もあるのですが、『足の変化 = 水虫(白癬)』と思っている人が多いのと同じ理由です。 爪白癬の典型的な症状は『爪が白く濁って分厚くなる』というもので、多くの場合足の皮膚に水虫が何年もあって、始めて爪に侵入しますので、手も足も綺麗で、爪だけ白癬、ということはまれです。 数年前まで爪白癬の治療は内服薬のみでしたが、近年外用薬も開発され、かなり効果があります。 手に水虫も発症するので手の爪にも爪白癬は起こります。しかし、多くの場合は別の疾患です。必ず皮膚科医に診断をつけてもらいましょう。

 

ポイント  爪には色々な病気があり、自分で出来る予防策は、普段の爪囲のケア。内蔵疾患が関係していても、まず皮膚科で診断を付けてもらう。

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