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2016年12月 1日 (木)

CULL's Universal Coin

https://www.youtube.com/watch?v=cGUW5JSnNUY

 

この作品は二川滋夫氏の作品集“Coin Miracles p.19に紹介されている“WILD COINS”に触発されて作った作品です。現象は原案と同じですが、かなり手法は変えています。 

本来、この現象であれば、英語と奇術に精通している二川先生ならば“Universal Coin”という題名をつけたはずのところ、敢えて“Wild Coins”と名付けているのは、David Roth’s Wild Coinを意識している、と思います。二川さんに聞いてみてはいませんが・・・ 一世を風靡したRothのコインプロットの中でも、有名で、数々のヴァリエーションを生んだWild Coinという奇術。要は、これに物足りなさを感じて作った作品だということです。Rothの現象は・・・数枚の銀貨が一枚ずつ銅貨に変わり、変わるたびにコップに入れられ、全部変わった後、コップから元の銀貨に戻って出てくる・・・というもの。

Spellboundの連続のようなもので、美しく演じられますが、単純な連続であり、しかも、クライマックスとして、元に戻る現象があるわけですが、これは『結局変わってなかったんだ』と思われ、ここで驚いてくれる人はかなり素直な人。逆に、コップから本当に変わったあとの銅貨3枚が出てきた方が受けるでしょう(^_^;) 本当は、全く違ったコインが出てきた方がより受けます。 

さて、二川さんも当然、Wild Coinを練習されて、研究もされたはずで、そんな中、「複数枚のコインを変化させるなら、変えたあとコップに入れて隠さないで置いたままにした方が良いし、変えるなら、全部違った種類にした方が楽しい」と考えられたので、このような奇術を考案し、名前をWild Coins”と複数形にされているのだと思います。

 

さて、原案ではギミックはダブルフェイス1枚だけです。そして、現象は・・・財布からハーフダラーを取り出し握ると香港の小さなコインに。2枚目が銅貨に、3枚目がワンダラー、そして4枚目を財布から出して握ると中国貨に変わります。 

   この手順の賢いのは、財布を使っている点です。1枚ずつ出しては変えていく演出なので、4枚のハーフダラーは必要なくなる訳です。 1回1回の変化も、手法を変えて凝ったものです。ただ、変化の仕方は毎回「握ったら変わる」という単調なもので、最終的にテーブル上にダブルフェースコインが残るのです。そのほかはレギュラーコインですが、それだけ片付けるわけにはいかず、結局、すべてのコインをそそくさと片付ける必要があるのです。

私が変えたかったポイントは ①コインの変化の仕方にバラエティーを持たせる。 ②最後のコインはジャンボコインに変化させる。 ③終わった時点で、完全にクリーンになり、お客さんに全て改めてもらえる。ということでした。

原案どおり財布を使うことで、元となるハーフダラーは少ない枚数で済むだけでなく、財布の中に、変化するコインが入れてあり、ハーフを取り出すときに一緒に出してパームする、というハンドリングなので、余計な場所からスチールしてきたり、事前に色々な準備がいらない点も優れています。 その良い点は採用し、その他色々変えています。 

構造的な最大の改革は『シェルの使用』です。ただし、私の使っているのは、真鍮製のポーカーチップ状のもので、シェルとネストがセットになっており、きっちりはまった状態で、表裏どこから見ても1枚に見えるようになり、振らないと簡単にはすれない構造のものです。

『ハーフダラーから他のコインへの変化』というものは、日本のノンマジシャンにとって、『見かけない外国硬貨が他の外国硬貨に変わる』ということで、印象が薄いのです。それと比べると、明らかに硬貨ではないチップが変化するのでわかりやすくなります。 そして、2枚目に変化する銅貨はシェルの中に入れて準備できるので、パームせずにスチールしてくることが出来、更に変化においては、シェルの特性を使って、『2枚のチップをこすり合わせると、1枚が銅貨に変わる』という面白い現象が可能となります。また、このあとのワンダラー、ジャンボコインへの変化においても、チップは利用されるのですが、その段階では、既にシェルの効果は使用せず、普通のコインとしての使用となります。これは、はまったら簡単に外れない特性が利用されています。さらに最終的にラップしても音が立たないことも利点です。

変化に関して、1枚目は手に握ると変わり、2枚目は2枚をこすり合わせると変わる。動画で3枚目も握ると変わる現象を行っていますが、実は99年考案当時は、所謂Spellbound的な変化現象にしていました。要するに1枚目は握った手の中で変化し、2枚目は殆ど隠さない状態でチップの影での変化、3枚目は、少し手でなぜると変化する、そして、4枚目はアラン・ヘイドンAllan Haydenのジャンボコインの変化で、これはハンピンチェンの効果で全然隠さず巨大化するショッキングなものです。 と、このように、変化の仕方をより視覚的効果の高いものにアップしていくように構成しています。Spellbound部分は、所謂“Touch Spellbound”と呼ばれる、隠さず、指をタッチしただけで変化する方法を導入できれば、より良いでしょう。 実は、動画撮影時、当時のハンドリングを忘れており、その理念もよく覚えておらず、このような演技となっています(涙)

MagiCULL Sundayにご来店頂いた方ならご存知ですが、当店はマジックバーとしてはカウンターの幅が狭く、私より、お客様の方が、マジックの道具の近くにいるという『戦場』(^_^;) ですので、特に許可はしていないのですが、道具を勝手に触られ、それに耐えられる、かなり骨太な作品である必要性があります。勿論、演技中いきなり触られることは少ないのですが、出現した物体や、変化した物体を触ってみたくなるのは人情で、そんな折り『エンド・クリーン』であることは、かなり有力はファクターなのです。

 

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