2022年9月15日 (木)

《マジシャンしか読んじゃいけないコーナー》『歪んだコイン・シェル Coin Shell の直し方』

全国一千万のシェル・ユーザーの皆さんこんにちは。

シェルを使用した奇術を演じた経験のある方なら、大抵経験しているのが、『シェルのエッジの歪みによる、脱着不良』

特に嵌まったまま取れなくなることが大問題です。 何故この事故が起こるかと言えば、エッジが非常に薄く、外側からの圧力で簡単に内側に曲がってしまうことに起因します。 はっきり一部分が曲がっていれば、その部分を気長に指で押し出せば直るのかも知れませんが、実際はそうは行きません。 なぜなら、どこが問題の箇所なのか判明しづらく、良く見ると怪しい場所が何カ所かあり、主要トラブルがどこなのか、はたまた複数の箇所の複合原因なのか・・・

ネットで調べると次の2方法が紹介されていました。

① シェルにコインを嵌めた状態で、根気よく全周をテーブルにこんこん当て続ける。 やってみましたが根気が足らないのか、全然上手くいきませんでした。

② 使わなくなったシルクをコインに被せ、その上からシェルを押し込んで引き剥がす。 これは簡単で有効そうですが、確実にシルクはボロボロになるし、持ち歩く必要も・・・

そこで、私が工夫して、ほぼ確実に機能する修復法をご紹介します。

準備するものは少々厚手でザラザラカサカサしたタイプの、ペーパータオル。 このコロナの御時世、エアタオルが意味なく封印され(これがウイルスをまき散らすことが無いことは証明済ですが、慣習的に封印され続けています。)洗面所には必ずこの手のペーパータオルがあります。これを写真の様に三つ折りにします。そして下にシェル逆さにして置き、上からコインを押し込みます。

その後、紙の四隅をコイン側にまとめて絞り、シェルのエッジに爪を立てて引き抜きます。

この方法は、三つ折りで紙の厚さが出る分、シェルとコインの隙間を大きく広げる効果があり、紙の厚みは均等なので、シェルが均等に広げられます。 また、紙を取り外す時も、1枚では薄くてすぐに破れるのですが、三枚折りにしてあると、丈夫でコインを引っ張り出すおりにも、ホールドしやすいのです。 紙はどこでも入手しやすいので、『緊急の現場』でも使用可能となる便利な方法です。お試しあれ!

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2018年10月 2日 (火)

『 マット Close-Up Pad の話』 その2

「マットのパトリックさん、その後()」

先日お知らせした、オハイオのいいやつでお馴染みのパトリックさん、メールで「台風大丈夫だったか?マット仕上がったぜ」と送ってきたのですが、この「台風大丈夫だったか?」のくだりは「季節の挨拶的」なもので、こっちとしては商品の完成報告と受け取り、特に返事をしなかったのです。
ところが・・・・ 数日前に「おいおい、ホントに台風の被害受けたんじゃないか?心配だ。一応マットは送ったぜ。」とメールが。パトリック・・・(^_^;

これは、ホントに日本の友達(って、2枚目のマットをネットで買っただけの仲ですが)の安否を心配してたようで、返事がないから、返事できないような状況なんじゃないかと思ってたようで。

しょうが無いので「金沢は台風の被害なかったよ。心配掛けたな。大丈夫だよ。マット届くの楽しみにしてるぜ。」と返事すると、早速「そいつは良かった! 今、マットは東京まで行ってるぜ。」と。

世界中で一番パトリックが僕の安否を気遣っていたようです()

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『 マット Close-Up Pad の話』 その1

Closeup_pad
【以下に書きます内容はFacebookに書いたものをまとめたものです。】
ここ7年ほどマジックバーで愛用している“Close-Up Pad(マット)”。
これは、本人のことを知らないんだけど、米国のプロマジシャンPattrick Przysiecki って人がショップ出してて作ってくれるのですが、とても良い。大きさ、厚さ、形、色を指定でき、色んな場所に様々なフォントで好きな色の糸で刺繍文字を入れてくれる。  
で、流石に少々へたってきて、1枚しかないと心配なのでもう1枚注文しました。  
初回時、ネット通販なので、色々クリックしてVISA払いだったのに、すぐに長文の普通のメールで「あんた日本人か?はじめてや。実は俺、しばらくコンベンションで離れるんで、送るまでに少し時間かかるんや。ごめんな~。それでも大丈夫か?」と英語で送ってきました。むちゃいい人なのはわかるけど、こっちは英語のやりとりが邪魔くさいからネット通販でやってんだから・・・ 
で「勿論大丈夫だよ。楽しみにしてるぜ。」「そうか、ありがてぇ。兄弟待ってな」みたいなやりとりがあって、それほど待たずに届きました。サイトで色も糸の色もフォントも選択するので、出来上がりのイメージが付きにくく、何枚かオーダーし直しも考えてたのですが、思ってた以上に良いもので満足して使っています。  
で、今回久々にオーダーすると、サイトの様式がかなり変わってる。前のデータあったので、それに従って選択しオーダーすると、また、すぐにメールが(^_^; だーかーらー・・・  
「すまんすまん。日本からのオーダーないから、あの送料間違ってた。ホントはあとOOドルかかるんだよ。大丈夫か?嫌だったらそう言ってくれ。ほんと悪かったなぁ」と。米国人ってこんな謝る?訴訟社会って聞いてるけど・・・ 
「いや、前回のマット凄く気に入ってるし、その送料で送ってくれ」
「わかった。返事くれてありがとう。ちょっと待っててくれよ」 
そして、昨夜「待たせたな。聞いたけど、日本台風大変だったそうじゃねぇか。大丈夫かい? マット出来上ったぜ。俺的にはすごくよく出来たと思う。届けるぜ!」とメールが。 
 いやいや、ネット通販ってこんな?  いいやつなんだけど・・・

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2016年8月25日 (木)

“Link Board”  発売!!

此の度、マジックショップ 『マジック3』 様から、私の長年愛用してきた、オリジナルマジック “Link Board” が製品化されて、販売が始まりました。

http://cullblog.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/link_board.html

以下に、HPを貼り付けますので、飛んでいただければ、詳しい説明と、下の方に動画もありあますので、余裕があれば、観に行っていただければ幸いですし、お気に入っていただければ購入して頂ければなお幸いです(笑)

このマジックは、基本的に『ロープマジック』であり、その中でも現象としては、切って復活でもなく、結び目の現象でもなく、一番地味な『連結現象』です。 しかし、何段階かにわけ、徐々に盛り上がるように組立て、最後にはロープマジックとして、最もフィットするであろう、クライマックスが待ち構えているものです。 実際、一般のお客様に何年も演じ好評を得ています。

マジックそのものとしては、そういうものですが、パフォーマー視点からの利点も多いものです。 まず、クロースアップメインの私が、ある程度の人数のお客様相手に、サロンマジックを演じる場合、クライマックス的なものを取り入れる必要があるわけですが、それだけのために荷物が大きくなることは、心理的に大きなストレスとなります。なんといっても、営業が終わったら、カバンひとつで街に飲みに出掛けたいのですから(笑)  この道具は基本的に『板一枚とロープ』だけですので、薄いカバンに全て収納できます。 そして、テーブルが舞台にあれば、なんの準備もなく即座に演じられます。 また、二人のお客様を舞台に上がっていただき演じるので、コミュニケーションも取れ、他の観客の注目を得ることもできます。 角度にも強く、途中を見てなかったお客さんがいたとしても、途中からでも楽しめる現象。 などなど、色々なメリットがあり、ペットシークレットとなっているのです。

習得すれば、必ず、使えるネタとなること請け合いです。 

商品には、演技と解説の入ったDVDと、解説の写真入りブックレットがついているので、習得しやすいと思いますし、DVDには、僕の作品集Pap Magic 、Pop Magic 2 に掲載されている作品などの実演も多数収録されており、お得です。また、Pop Magicを購入したが、工作が面倒で詳しく読まずじまいの方も、実演映像をご覧になると、もう一度チャレンジする機会になるやもしれません。 勿論、このショップでPop Magic、Pop Magic 2も販売されています。

http://www.magic-deck.com/shop/shopdetail.html?brandcode=000000000735&search=&sort=

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2016年2月 2日 (火)

スペードのその後

Photo先日 「スペード・ハート」 と題して、バーMagi・CULL Sundayの突き出しに使っている、『スペード柄のタプナード』の話を書きましたが、ゆきひろさんから、素敵なアイディアを頂き、早く綺麗に作るための道具を作成してみました。

左写真のような、金型を使っていたのですが、それだけでは、かなり手間も掛かり、失敗も多かったのです。

そこで、ゆきひろさんから頂いたヒントで、写真のように、押し出すためのブロックを作成しました。

使い方は、図のようにブロックを少し引いた状態で、タプナードを詰め、クラッカーに置いて、ブロックを押します。そして、ゆっくり横方向にスライドすると、タプナードが残ります。

多少形が崩れ、箸での調整が必要なこともありますが、以前より断然に短時間で確実に作成できるようになりました。 ゆきひろさん、ありがとうございました\(^o^)/

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2013年4月 1日 (月)

カードの秘密

販売されていない特殊なカード(トランプ)が必要な場合に、トランプの紙を数枚に剥がし取る必要が生まれることがあります。 これを専門用語で“Card Peeling”と言います。

従来の方法では、かなりな技術を要します。 若いころ、今ほど豊富なGimmick Cardが手に入らなかったので、比較的頻繁にこの作業をしていたころに編み出した簡単な方法があり、これは松田道弘氏の『魅惑のトリック・カード・マジック』(東京堂)のP.23に“Yamazaki's Adhesive Tape Card Peeling”として紹介されています。

そういう経緯があり、ある程度「カードの仕組み」ということに詳しいのですが、いくつか謎が残っていました。 一番有名な謎は、『カードが何枚貼り合わせて作られているのか?』ということです。

実際剥がしてみると次のような構成要素になっていることはわかります。 すなわち、最外層に(多分)合成樹脂の塗料によるコーティングされた膜があり、その下に厚紙があります。そして、中央に少々青みを帯びた灰色の別の層があるのです。 このことから「3枚の紙を貼り合わせてある」という通説がありました。

あるとき、マジックランドで、オーナーの世界的マジック研究家・小野坂東さんに、こんな話をお聞きしました。 「どうやら、3層ではなく、真ん中の色が違う部分は糊の色かも知れない。」

そして、昨夜、その謎が解けたのです。 ケーブルのヒストリーチャンネルで偶然、U.S.Playing Card Co.の内部の紹介番組を観ました。

その中で老舗ブランド“Bicycle”の製造工程が明かされたのです。 正解はトンさんのおっしゃる通り、3層ではなく、真ん中の色違い部分は接着する糊の色でした。当然色が付けてあるのは紙が透けて表が見えないようにするためです。

・・・以上、興味のない人には全く無価値な情報でした。  ってか、興味がある人自体、非常に少ないわけで(涙)

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2009年6月26日 (金)

『 指輪 』

クロースアップマジックでは、指輪という素材もよく使われます。

Ring_for_magic_2
一番沢山の作品が発表されているのは“Ring on Cord”です。 紐に指輪を通し、端を通さずに抜き取る、というもの。 指輪は小さいですが、この現象ならシンプルなので離れていてもよく見え、わかりやすいので、観客を選ばず受ける演目です。私も、この現象が大好きで色々な方法を愛用しています。ただ抜けたり入ったりだけでは「落ち」がないので、クライマックスとして“Ring Flight”を行うこともあります。 これは指輪が消え、ヒップポケットのキーケースのフックに掛かった状態で出てくるもの。 
その他、“Linking Finger Ring(Himber Ring)”という、お客さんの指輪3本で行う連結現象、“Ring & Rubber Band” 指輪が輪ゴムと連結する。“Ring on Wand” 木の棒に通した指輪が外れる、などといった現象が有名。 
Jerry Mentzer著“Magic with Finger Ring”という、この手の奇術の集大成があります。

数年前に米国のGarrett Thomasが“Ring Thing”という作品を発表し、一時世界を席巻しました。現象は・・・指からリングを抜き取り、放り投げると消え、伸ばしている指にいきなりはまった状態で現れます。 非常に強烈な印象で、私も愛用しています。

私が現在一番多く演じているのはDe'Vo Vom Schattenreich’s“De' Ring”というものです。 「指先に持った指輪が、一瞬で薬指の奥にはまっている」という現象。 現象自体は以前からあるのですが、これの特徴は、やたらに早いことと、指輪が「キツキツ」でお客さんに抜いてもらおうとしても、そう簡単に抜けないサイズなのです。 普段はめている指輪で、いつでもどこでも演じることができ、一瞬で終わるので、非常に重宝ですし、気軽にやっている割にはインパクトが大きいようでリクエストが掛かることが多いペット・トリックです。

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2008年10月23日 (木)

『 マッチ 』

カード、コインをClose-Up Magicの両巨頭とすると、その後に続くものは・・・いっぱいある、ということになります(笑)

そんな中で、身近な道具で、作品数が多く、現象もバラエティーに富んでいるアイテムというと・・・マッチがあります。

マッチの奇術は当然マッチ発明以降ですから、それほど古くは無いのですが、世界中で殆んど同じ形のものが使われており、安価で入手しやすいことから、たくさんの奇術が生まれました。

Matchies マッチ棒を使うものだけでなく、マッチ箱を使うもの、ペーパーマッチを使うものもあり、それぞれ色々なデザインがあるので、現象も豊富です。

道具が小さいので、実際のショーでこれが主役になることはありませんが、ちょっとした珈琲ブレイクで披露するには打ってつけのアイテムです。

僕がよく演じるマッチの奇術は・・・

“Match Penetration”(マッチ棒が別のマッチ棒を溶けるように通過する)  “Clear Deception”(マッチ箱の引き出しを押し込むと、別の箱の引き出しが飛び出す)  “Match Tricks”(マッチ棒をポケットにしまうが、何度も手に戻ってくる)  “Match Stickler”(ペーパーマッチを1本ちぎり、火をつけ吹き消すと、棒が消え、焦げたマッチがケースに戻っている)  “Bill in Matich Box”(サインされたお札が、お客さんが持っているマッチ箱から出てくる)  “Animated Match Box”(手の甲に乗せたマッチ箱が、自分で立ち上がる) ・・・・

キュートでなかなか良い奇術ばかりです。 喫茶店や飲んでいる席で取り出しても違和感無く、お店にあるものでも出来るところが強みです。 ただ、最近は禁煙のため、お店でもマッチが無いところが増えてきました。 僕は10数年前喫煙をやめたのですが、マッチがなくなるのはちょっと寂しい。

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2008年10月 3日 (金)

『 コイン 』

クロースアップ・マジックで、カードの次に出番が多いのはコインでしょう。

カードの項で書いたように、マジシャンが標準的に使用する道具、というものがあります。 コインの場合は、アメリカのハーフ・ダラー(50セント銀貨)です。 Coin

これは海外の見慣れぬ硬貨であり、しかも、現時点で米国本土でもほとんど使われない『古銭』に近いのです。 しかし、大きさが丁度良く、見栄えもするし、比較的安価であることから、世界中のマジシャンが愛用しています。
特に、1964年のものだけなぜか銀の含有量が多く、色合いも音も良いので、この年度発行のものが好まれます。

本質的には、見慣れた日本の硬貨で行った方が自然ですし、不思議さも強調されますが、如何せん、最大で500円玉ですが、色も黄色っぽく、舞台栄えがしません。 それに、もし日本の硬貨を使うなら、マジシャンが用意したものではなく、お客さんから借りなければ不思議さを強める意味にはなりません。 実際、500円玉を4枚借りることが困難な場合も多いのです。

これらの理由で、日本のマジシャンもハーフ・ダラーをよく使います。 

コインは、カードよりシンプルな現象が多く、あまりしゃべらず、優雅な動きで不思議を見せる、といった趣があり、特に女性のお客さんに人気が高いように思われます。

これは意外と知られていませんが、シンプルなだけに、カードマジックより数段難しいのです。
勿論、カードマジックにも難しいものもありますが、簡単なものもたくさんあります。
しかし、コインマジックで簡単なものはほとんどありません。

だから、上手なコインマジックをご覧になったとしたら、そのマジシャンは相当な腕前だと思われます。 是非、いつもより沢山の拍手をしてあげてください。

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2008年10月 1日 (水)

『 カード 』 その2

「ポーカーサイズが多く使われる」と前回書きましたが、それはここ20年ほどのことで、僕が高校生のころまで、日本ではブリッジサイズが標準的で、当時流行った商品のパケットトリック(数枚のカードだけで行うマジック)も、大部分は『キャラバン』というブランド(←米国ではなぜかエービエーター Aviatorという別名です)が使われていました。 今でもヨーロッパのマジシャンは、自国の色々なカードを使っています。

しかし、マジシャンは必ず『紙製』のカードを使います。 日本では上質のプラスティックトランプが普及していますが、海外ではほとんど見られません。なぜなら、カードは『使い捨てるもの』だからです。というのも、古くなってくると、必ずカードに傷が付き、裏からカードの判別が可能になり、命を掛けるようなギャンブルには絶対使えないのです。 プラスティック製は長持ちするので、そう言った意味で矛盾した存在です。

また、圧倒的に紙製の方が扱いやすいのです。 世界の全てのカジノで紙製が使われていることが、それを証明しています。

さて、前述の『バイシクル Bicycle』について少々書きましょう。 まず、このカードは単純に言うと『3枚の厚紙を貼り合わせて』作られています。(実際はさらに表面に樹脂加工してあります。) なぜ、こんなに複雑なことになっているのでしょう? それは、紙には必ず『目』があります。これによって、湿度が加わると一定方向に反るのです。反ると非常に困ります。そこで、目が『互い違いになるように』3枚を貼り合わせて、反らないようにしてあるのです。
Peeled_card 写真を見てください。 真ん中の紙が黒っぽいのが分るでしょう。これによって、透かしても裏から何のカードか分らないようにしてあります。

ちなみに、3枚に剥がしてありますが、これは“Card Peeling”というテクニックです。 オリジナルマジックを作成するマジシャンには知られた技法ですが、結構難しいのです。僕は、それを簡単に行う方法を考案し、発表してあります。(東京堂出版『魅惑のトリックカード・マジック』松田道弘著 P.22 トリックカードを自分で作る方法。 “Adhesive Tape Card Peeling”)ご興味のある方は、書店で探してみてください。

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